テレビからまさか「ブックメーカー」や「オンラインカジノ」なんて単語を聞くとは思ってなかったから、正直耳を疑った。
ブックメーカーってのは、オンラインカジノを知っている人以外にはほとんど知られていない言葉だから、それがテレビのニュースで流れてくるというのはまさに寝耳に水だね。
もちろんそのニュースは大谷翔平の通訳だった水原一平が、大谷の口座から24億5000万円相当の金を勝手に使ってオンラインカジノに賭けていたという驚きのニュースだ。
ブックメーカーでスポーツベットをしていたというのであれば、アメリカに住んでいて大谷という知名度がある人間のパートナーだった水原一平なら、合法のスポーツベットではなくオンラインカジノを使うしかない。
オンラインカジノを使うにしても、無料で使える入金不要ボーナスなんかにしておけばよかったのに…。
まあ、水原一平の場合は入金不要ボーナスを使ってもすぐに入金してしまいそうなところではある。
ひとまずこの事件をきっかけに、オンラインカジノは決定的に「国民的な関心」を集めてしまったといっていいだろうな。
アメリカで合法のスポーツベットとオンラインカジノの違い
アメリカの一部の州で合法のスポーツベットと、オンラインカジノの違法ブックメーカーの最大の違いは「利用することの透明性」にある。
水原一平には州によっては合法であるスポーツベットを使うという選択肢もあっただろうに、それでも違法のオンラインカジノを利用しなければならなかった。
やっぱり「バレちゃいけない」というのが理由としては一番大きかっただろうね。
アメリカの合法スポーツベットは、利用履歴や賭け額なんかがすべてバレる仕組みになっているから。
合法でスポーツベットをやるってなったら八百長を避けたりなんかもしないといけないから、どうしても情報の「透明性」が必要になるんだよね。
オンラインカジノは、摘発されない限りは「誰が利用していて、どれだけ賭けたかわからない」という特徴を持っている。
ギャンブル依存症の水原一平にとってネックだったのは、大谷という超有名人の存在だ。
しかも、その有名人は国際的な場で活躍するスポーツ選手ですらあるわけで。
さらに水谷一平の場合は、賭け金を大谷の口座からちょろまかしているという事情まで重なっている。
こうなると、絶対に合法のスポーツベットで遊ぶわけにはいかないよね。
そのパートナーが多額のスポーツ賭博に日常的に興じているなんてのは、スポーツマンシップ的に「ご法度中のご法度」だろうし。
絶対にバレてはいけないし、たとえ合法であっても水原がスポーツベットを利用するのはあまりいい印象ではないだろう。
そこで不透明であるオンラインカジノが登場するってわけ。
そうやってバレないためにオンラインカジノを使ったのに結局バレてしまってむしろ最悪の印象になってしまったというのは、皮肉な話ではあるよね。
テレビしか趣味がない人間にオンラインカジノが知られてしまった
今回の事件の最大の問題は、テレビを見るくらいしかやることがなく、大谷のニュースだけが娯楽の大多数の日本人に、オンラインカジノという危険な魅力を持った遊びが知られてしまったというところにあるかもしれないな。
日本のテレビってのはバカの1つ覚えみたいに大谷のニュースばかり流している。
大谷と水原のキャッチボールを話題にするしかないくらいだから、ハッキリ言って最近では「話題不足」の感すらあった。
無理やりにでも大谷のニュースを作るしかないっていう感じだよね。
だから、その最大のコンテンツの一つでもある水原一平がオンラインカジノを利用していたなんてのは話題に飢えていて枯渇しつつあるテレビ業界としては「待ってました!」というのがホンネだろうよ。
実際、水原一平のオンラインカジノのニュースは連日のようにテレビから流れ続けたわけで、テレビ業界は水を得た魚のようだったし。
大谷以外の情報が入ってこない娯楽不足の連中がオンラインカジノの存在を大谷とセットで知ることは、「大谷より面白いもの」に出会ってしまう可能性が出てきたということを意味している。
オンラインカジノってのは、テレビを見ながら「今日も大谷翔平はスゴイな!」なんて言う行為に比べて、はるかに娯楽性が高いコンテンツであることは、まあ間違いない。
多くの日本人は「違法だから」といってオンラインカジノを無視することができるかもしれないけど、「スポーツ賭博」に目覚めてしまう日本人もゼロではないはず。
水原一平の事件は、オンラインカジノの厳罰化より先に、第二第三の水原的なギャンブル依存症の誕生をうながすんじゃないかと自分は杞憂しているかな。